渋谷でキャバクラの客引き

タイトルだけでは、渋谷の客引きは性別関係なく節操無く客引きをしている、という印象を与えかねないのできちんと説明をしますが、数年前、わたしは女でありながらソフトモヒカンという髪形をしていました。

趣味でバンドを組んでいて、そのバンドのメンバーがわたし以外全員男性だったこともあり、元より男っぽい性格に拍車がかかり、長かった髪をばっさりいった頃でした。

冬ですとコートを着てしまい体型が隠れてしまうのと、わたしが女性にしては高身長だということも要因のひとつなのだと思いますが、バンドメンバーと食事をし、解散後に渋谷駅に向かって歩いているところでした。
渋谷の繁華街は夕方から客引きらしき男性がたくさんいて、どうにも治安がいいようには見えませんが、しかし賑わっていてこれはこれでいいのだろうな、と思いながら歩いていました。
寒い季節に外で客引きをするのも大変だろう、と半ば可哀想に思いながら客引きの営業トークを耳にして思うものの、どうにもその営業トークが歩いても歩いてもついてくることに気がつきました。

自分に向って話しかけられているなどと思いもよらなかったのですが、どうやらその客引きはわたしの横をついて歩き話しかけ続けていたようでした。
髪が短く女には高身長、コートのせいで体型がわからなく、わたしが伊達メガネをかけていて顔が見えづらかったとはいえ、まさか女が客引きをされるなんて思わないですよね。
自分に言われているのだと気がついてからわたしは足を止め、客引きの男性を向いて立ち、髪が短い女もいるんですよ、と言わせてもらいました。

客引きの男性は至極驚いていましたが、声を聞いて納得したのか平謝りしていなくなりました。
こういう間違いをしながらも次の人にまた話しかけなきゃならないお仕事で大変だなと思うと同時に、人生で後にも先にもキャバクラの客引きに声をかけられたのはその時だけだったので、渋谷であったその出来事は数年経った今でもなかなか忘れられない笑い話です。